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たのしければよいのだ

バイトのはなし

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大学時代は学業との両立のために、ほとんど長期バイトができなかった。この表現は間違っていないのだが、正確にはただ体力がないという理由で、ほぼ単発バイトしかできなかった。週の2日か3日は寝込んでいたので、極ごくまれに土日に単発をするので精一杯だったのだ。

 

バイトは大手のanやタウンワーク、フロムエー、大学が提携している学生向けのバイト情報サイトなどを利用して探した。バイト情報サイトを見るだけでも結構色々なことが分かって面白い。コールセンターやビラ配りはそこそこ時給が高く、1200~1500円くらいで募集がかかっていたと思う。できる人にはできるができない人にはできない仕事だからだろうか。無視されると心が折れるタイプの人には向かないし、離職率も高いことは容易に想像がつく。

バイトを探していると何ページにもわたって勤務地を変えただけの案件がならんで、大変に邪魔である。こういうことをするのは多くの場合飲食チェーン店、大手学習塾、登録制バイト・派遣バイトである。
同じような、というかまったく同じ内容のバイト情報が何ページにもわたって画面を支配し続けるので、だんだん見るのが億劫になってくる。面倒になって2ページ送りにしてもまだ続く。5ページくらい飛ばすとすっかり消え失せてしまうので、そこから1ページずつ戻って、単体で載っている零細かつ個人的な感じのバイトと、連続して載っている大手情報の切れ目を確かめてみる。こうして改めて説明すると馬鹿みたいだ。

 

 長期バイトにはじめて手を出したのは3年生の後半だが、この「3年生」という表現もやはり正確でない気がする。「25歳の」3年生である。自分は当事者なので何も感じないしよく分からないのだが、「25歳の大学3年生」は何がしかの感想を持たせるような文字列なのだろうか。一般常識からかけ離れた人生を送っていると、この辺はいまいちピンと来ないのである。

とにかく、25歳大学3年生のときに――つまり去年のことであるが――はじめて長期バイトとやらに手を出した。結局それも大学退学時のごたごたで辞めてしまったが……。そのときは事務バイトをしていて、来客時のお茶出しとか顧客ごとに書類一式を揃えて発送するとか、そんな感じのことをしていた。顧客のデータを見て適当な書類を用意し、軽く人情を感じさせるような一言コメントを添えた上で封筒に入れ、油性太マジックで住所と宛名と郵便番号を書く、みたいなやつだ。要はダイレクトメールの準備である。

 

どこでバイトをしてもそれなりに驚くのだが、仕事というのはまあ適当なさじ加減で回っているらしかった。大学を退学して社会にもまともに出ていないやつが何を言っているんだと思うかもしれないが、社会にまともに出られないのは結局のところ過度の慎重さ、真面目さ(加えて要領の悪さ、他人に一切合わせることのできないマイペース加減、融通の効かなさ、完璧主義)によるものなので、この感想は出て当たり前だと思う。

みんな厳密さなんて求めていないのだ。そしてそれで回ると言うことは、それで利益が出ていて、それで十分だったのだろう。そりゃあ業種にもよるんだろうけど、少なくとも中堅私大文系(加えて退学済み)に表示されるバイトはそんな感じだった。