Softly As in a Morning Sunrise

よしなしごと

不動産屋と旬の秋刀魚

土曜、不動産屋に行ってきた。狙っていた物件と、一応比較用に…と提案された人気物件を紹介してもらい、2つ内見に行った。1軒目の狙っていた物件は写真ほどではなく、色々と駄目なところが散見され、これは難しいな…と思った。2軒目は昔住んでいた三鷹の住居に似ていて、ユニットバスだがまあまあ安かった。それでもちょっと想定より高いかな、という感じ。どちらも初期費用は35万ほどで、そこは変わりなく。後者は北千住徒歩5分、オートロックで大変…よかった。見たときには「ああここに住みたい!!」と思ってしまうほどで。

家に帰ってウンウン唸りながら不動産仲介業者用物件管理システム「イタンジBB」に情報を登録していった。ああ、これ、3月ごろ業者側として使ってたなあ…なんて考えながら。申し込み直前まで進んだとき、隣にいた彼氏が言った。

「なんだか大変そうですねえ…。そういえばわたくし、やはり家の片付けができなさそうで、○○駅とかに住むのも良いかと」

は????い????????

何故それを今言う?何故?と思いながら私は画面の物件申込送信ボタンにかけていた手を(正確にはマウスを)引っ込めた。

恐らく先ほどの発言の書き方だと彼氏から正確ではないとツッコミが入るので、正確に書き直す。曰く、部屋の片付けをしていた。私と同じくらいの恐らく5、6畳ほどの部屋いっぱいに、彼は書物その他諸々を持っている。その他は骨董や、好きなアーティストの作品など。その5畳間だか6畳間の荷物が多すぎて、最近片付けをしていたらしい。縦と横を揃え、垂直と並行を揃え、置けるものは会社に置き。そしてはたと気づいた。ここにあるものは全て必要な物で、不要な物など何一つない。つまり処分できない。つまり、このままだとお部屋テトリスが埋まってゲームオーバーになる、と。お部屋が荷物で埋まったらどうするか。もう一つお部屋を借りればいい!と。

阿呆だ…と正直思った。この人は物の処分ができない。物を手放す痛みに耐えられないのかなと思う。しかし、阿呆だが、私にとってはまた別の意味を持つ。えっじゃあ、あの家から出て一人暮らしをしてくれるのかい!!???と。

*

そういうわけでとりあえずその場で物件の話は流れ、私たちは旬の秋刀魚を焼いて食べた。大層疲れていたので、調理は彼氏に任せた。彼はグリルで焼いている間私の部屋に来ていて、キッチンから離れていた。

異音がする。明らかになんかこう…燃えている感じの…!!

嫌な予感がしてキッチンへと向かい、扉を開けた。正直開ける瞬間は台所炎上を覚悟していた。なんとか消火するものの警報器は鳴るしご近所に大迷惑、ついでに財布もあいたたた…というオチは覚悟していた。

扉を開けると、秋刀魚2尾が仲良く揃ってグリルの中で燃えていた。グリル奥の排気口からは細い煙が上がり始めていた。私は冷静にグリルの火を止め、焦げ始めていた秋刀魚を出した。腹の辺りが黒ずんでいる…。

今年の秋刀魚はそれはもう美味く、よく肥えて脂も乗っていた。その脂に引火したようである。きっとあのまま放置すれば秋刀魚型の炭が2つ形成されていたのだろう。

二人で美味しいねと言いながら秋刀魚を食べた。この子にはあまり火を扱わせない方がいいかもしれない…と思いながら。

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